炭素について

ABOUT CARBON

炭素と環境について

炭素は地球温暖化の原因である二酸化炭素を連想しがちですが、その多くは化合物として大気、海、地中に広く存在している無害な元素です。炭素は、石油や石炭など化石燃料や木、紙、プラスチックが燃焼するときに酸素と結びつくことで地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)となります。炭素は、二酸化炭素ではありません。炭素製品は、地球温暖化を防ぐためのクリーンエネルギー、省エネルギー、リサイクルにおいて欠かせない各種原料や材料として重要な役割を担っています。炭素は社会に貢献し、地球温暖化防止や環境保全に役立っています。

C(炭素)≠ CO2(二酸化炭素)

カーボンニュートラルへの取り組み

炭素協会は、2050年カーボンニュートラルに向けて積極的に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献することを、2022年に宣言しました。実現のためには、革新的なイノベーションが必要であり、容易な目標ではありませんが、業界を挙げて、不退転の決意で取り組んで行きます。
2050年カーボンニュートラル実現に向けた炭素協会の取り組み方針は、こちらから

炭素の種類について

炭素製品は構成元素が主に炭素ですが、様々な特性を有しています。主な炭素材料の例としては、透明なダイヤモンドや、黒い黒鉛があります。その他にも、ナノ材料として知られるカーボンナノチュウブやフラーレンがあります。これらの違いは、炭素が多様な結合を示すことに由来しています。

天然黒鉛について

黒鉛は天然黒鉛と人造黒鉛に大別されます。さらに天然黒鉛はより結晶構造が発達した鱗状黒鉛と土状黒鉛に分類されます。鱗状黒鉛の産地は中国やスリランカ、ブラジル等になります。土状黒鉛は中国が産地になります。天然黒鉛は、その優れた特性から非常に多くの分野で使用され、耐火物、鋳物、電池、冶金、潤滑剤等で利用されています。

人造黒鉛の製造方法

炭素製品はコークスにバインダーを加えて、押出成形やモールド成形または、CIP(Cold Isostatic Pressing)成形し、それを約1,000℃で焼いて炭素化し、さらに約3,000℃に加熱して黒鉛化します。


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炭素製品の原料について

ニードルコークス

黒鉛電極は、電炉内で先端部分が3,000℃以上の高温になります。縦方向に伸びると先端が折れる可能性があるため、縦方向の伸びが少ない針状形状をしたニードルコークスが原料となります。ニードルコークスには石炭系原料由来と石油系原料由来のものがあります。

アモルファスコークス

半導体製造装置や太陽光発電・原子力分野などで使用される特殊炭素製品の原料となるアモルファスコークスについても、石炭系原料由来と石油系原料由来のものがあり、用途は次の通りです。

■石炭系アモルファスコークス
特殊炭素製品に幅広く使用されます。

■石油系カルサインコークス
アルミニウム精錬用カソードブロック、特殊炭素製品、製鉄所等の原燃料、冶金材料、鋳物用燃料、加炭材等に使用されています。

ピッチ

黒鉛電極や特殊炭素製品の製造においてフィラーコークスの粘結材として成形性を与えるバインダーピッチ、焼成後の表面から微細孔に浸透してして強度・品質を高める含浸ピッチ、その他アルミ精錬用バインダーピッチなどがあります。
ピッチは石炭系原料由来のものが多く流通しています。